春を待つ宿wait for spring
鳩ヶ湯温泉は冬、すっぽりと雪に覆われます。福井県の中でも屈指の豪雪地帯にあり、人里離れた宿への道が閉ざされるため、営業は春から秋のあいだだけ。冬が終わり、白山の雪解け水が木々の芽吹きを誘う頃、宿の扉は静かに開き来る人を迎えます。
鳩ヶ湯温泉の歴史は江戸時代から続きます。明治時代より5代にわたり、地元森嶋家が温泉宿として経営。2013年に一度閉鎖しましたが、豊実精工株式会社が復活を申し出。大雪による本館倒壊などアクシデントを乗り越えながら工事を進め、2016年9月、復活を待ち望んだ多くの人々の祝福の中、宿はふたたび歴史を刻みはじめました。